ブランドの豚肉をしゃぶしゃぶで食べるときに気を付けること

お歳暮や結婚式の引き出物ギフトなどで、普段はあまり食べないようなブランド豚を貰った場合、薄切りであればしゃぶしゃぶスタイルで味わいたいところです。

しかし、せっかく質の高いブランド豚をしゃぶしゃぶで食べるわけですから、いくつか注意点を抑えておいてもらいたいと思います。

しゃぶしゃぶは出汁でサッと加熱して食べるというシンプルな調理法だけに、やり方を間違えればブランド豚の旨味が逃げてしまうことも。

そんなときに覚えておきたい豆知識をご紹介していきますので、ぜひブランド豚を貰った際や購入した際には参考にしてみてください。

ブランド豚をしゃぶしゃぶで食べる際の注意点

それではさっそくブランド豚をしゃぶしゃぶで食べる際の注意点を、準備段階から順番に見ていきましょう。

○鍋にこだわる

まずしゃぶしゃぶをするには、しゃぶしゃぶ用の鍋が必要です。

ベストな状態でブランド豚を食べるのであれば、こちらの準備を怠ってはいけません。

しゃぶしゃぶはお肉を出汁に入れて加熱をするわけですが、基本的にはほかの鍋料理と違ってその都度お肉を出汁にくぐらせて食べます。

そのため、出汁の温度が下がりやすく、熱伝導率の悪い鍋を使うと加熱不足や煮えすぎといった失敗を招くことになりますので注意しましょう。

ちなみに、しゃぶしゃぶ用の鍋というのは中央に煙突のような形の突起があり、少し不思議な形をしています。

実はこの形に、しゃぶしゃぶを美味しく食べるための工夫があることをご存知でしょうか。

しゃぶしゃぶが世の中に出回り始めた頃というのは、今ほどガスコンロが普及していなかったということもあり、七輪に乗せて使っていました。

そして、七輪を使う際にしゃぶしゃぶ鍋の煙突は、排気用の穴として工夫された形だったのです。

「それだとガスコンロが普及した今は必要ないのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、まだまだあの煙突には意味があります。

その意味こそがブランド豚を最高の状態で食べる方法でもあり、しゃぶしゃぶにおける注意点でもあるわけです。

しゃぶしゃぶは、前述の通り鍋に張った出汁が冷めてしまうと肉や野菜といった食材が煮えなくなってしまいます。

しかし、煙突の形状をしていることで、鍋に出汁が触れる面積が増えるので、出汁が冷めてもすぐに温まりやすくなるのです。

出汁が冷めた状態だと食材を入れてもなかなか煮えず、すぐに食べることができないのでこのような特徴のある形になったとされています。

また、煙突があることで鍋の熱気が中心に集まるため、お肉を出汁にくぐらせている際にも手が熱くなるということがありません。

さらに、出汁にくぐらせたお肉を煙突部分に当てることで湯切りをすることも可能。

こうすることで、タレが水っぽくなるのを防いでくれるという効果もあります。

ブランド豚をしゃぶしゃぶで食べるのであれば、このように計算されつくしたしゃぶしゃぶ用の鍋を用意することは必須です。

ちなみに、材質としては銅製のものがもっとも熱伝導率に優れていますので、そちらを選ぶようにしましょう。

○ブランド豚をしゃぶしゃぶで食べるときは出汁にもこだわりを

次に大事なことは出汁です。

出汁には昆布だけを使うことをおすすめします。

あとから野菜などが入って、複雑な味わいが染み出ることも考慮すれば、最初の出汁は昆布出汁のみのベーシックなものがベストです。

ちなみに間違っても鰹節で出汁を取らないようにしましょう。

鰹節で取った出汁は、匂いが強すぎてせっかくのブランド豚の香りや味わいが損なわれてしまいます。

○ポン酢やゴマだれ、薬味を用意

しゃぶしゃぶを食べるのに欠かせないものがポン酢やゴマだれです。

また、もみじおろし(大根おろしでも可)や万能ネギといった薬味も必要となります。

ポン酢のベースはかぼすや橙など、好きなものをチョイスすれば大丈夫ですが、ゴマだれはなるべくあっさりとした風味のものを選びましょう。

ブランド豚ならではの味わいを食べるには、やはりツケだれもシンプルなものが一番です。

○準備が出来たらしゃぶしゃぶを開始、くぐらせる時間やタイミングは?

準備が整ったらいよいよしゃぶしゃぶ開始ですが、この際にくぐらせる時間や引き上げるタイミングも注意するべきポイントです。

まず、当たり前ですがお肉は1枚ずつ鍋に入れましょう。

このときなるべく箸から離さずにしゃぶしゃぶすることが大事です。

お肉をそのまま鍋に入れると、鍋肌にお肉が触れて煮えすぎてしまいます。

せっかくのブランド豚が硬い仕上がりとなってしまうので、1枚ずつ丁寧に加熱することが重要です。

そして、おおまかに引き上げるタイミングとしては、お肉全体がほんのりとピンク色から白色に変わる間際を狙いましょう。

鮮度の高いブランド豚でもあっても、やはり生煮えでは安全性に欠ける部分がありますので、ある程度加熱をする必要があります。

そして、野菜などを加えながら鍋に風味をアップさせていくというのも大切なポイントですが、その際には鍋の温度が一定になるよう火加減に注意してください。

ただし、あまりにもグツグツと煮立ってしまうとブランド豚の味わいが損なわれてしまいますので、沸騰しない程度に温度をキープするというのも抑えておきたい点です。

○野菜は種類少なめに

しゃぶしゃぶに入れる野菜としては、水菜やネギといったものが代表的なものですが、ほかにもシイタケやエノキなどのきのこ類や人参を入れるケースもあります。

しかし、ブランド豚をメインで味わうのであれば、野菜の種類は少なめにしましょう。

アクが出やすい野菜などをまとめて入れると、出汁が濁ってしまってお肉の味が台無しになってしまいます。

そのため、お肉と同様にサッと加熱をすれば食べられるくらいの野菜がおすすめです。

まとめ

ブランド肉をしゃぶしゃぶで味わう際の注意点をいくつかご紹介してきましたが、やはり重要なポイントとしては鍋と出汁です。

こちらの2つさえ間違わなければ、あとは自分のタイミングでブランド豚をしゃぶしゃぶするだけで充分美味しく頂けます。

熱の通り加減がレア派の方もよく過熱する派の方も、とにかく準備だけはしっかりと行うようにしましょう。

これらを参考に、ぜひブランド豚を最高の状態で味わってみてください。