銘柄豚って何?

 

 

スーパーやファミリーレストランなどに訪れた際、よく「○○県産銘柄豚」といった表現を見る機会があるかと思いますが、この銘柄豚というものがどういったものかご存知でしょうか?

 

銘柄豚とは日本全国で生産されていて、その数は200以上を超えるとされています。

 

そのため、最近では頻繁にこの銘柄豚というものが目に付くわけですが、それぞれの違いや銘柄豚自体の特徴をしっかりと知っているという方は少ないと思います。

 

そこで、ここでは銘柄豚の特徴や定義、またどういった種類があるのかをご紹介していきますので、ぜひこの機会に銘柄豚について詳しくなっていってください。

 

銘柄豚の定義とは?

それではまず、銘柄豚の定義から見ていきましょう。

 

といっても、実は銘柄豚には定義がありません。

 

「定義がないとはどういうことなの?」と思うかもしれませんが、現在の日本では豚肉の品質を明確に分ける法律や規制はなく、あくまで自治体や食肉業界での基準が銘柄豚には採用されているということです。

 

そのため、銘柄豚というのは非常に増えてきたわけですが、もちろんどんな豚肉でも銘柄豚として生産・出荷されているわけではないことを説明していきます。

 

○日本の銘柄豚の7~8割は三元豚

 

現在、日本で美味しくてある程度価格の高い豚肉というのは、基本的に三元豚という種類の豚となっています。

 

しかし、これは三元豚という品種の豚がいるわけでなく、3種類の豚品種を掛け合わせて生み出された豚を指す言葉です。

 

つまり、三元豚といってもいろいろな三元豚がいるということになります。

 

○銘柄豚の主流、三元豚について

 

どんな動物でも人間が品種改良をしようとすると、同一の動物の異種同士を掛け合わせて、より良い品質の新種を生み出すことになります。

 

豚肉も同じで、赤身に優れた品種や脂身が多い品種、また成長スピードが早い品種といったものをいくつか交雑させて食用に最適な豚を作り上げているわけです。

 

この際、日本においては主に6つの品種の豚が用いられていて、この6つの内3つを掛け合わせたものを三元豚と呼びます。

 

三元豚の交雑具合は、それぞれの生産者によっても異なりますが、一般的に多い掛け合わせ方としては「LWD」という種類が挙げられます。

 

LWDとは豚の品種を表す言葉の頭文字をとった略語で、

 

L…ランドレース

W…大ヨークシャー

D…デュロック

 

といった3つの品種のことです。

 

このように、ランドレースや大ヨークシャーをベースにして生まれた豚に、デュロック種を交配させたものが現在の主流となっています。

 

この配合の三元豚をベースにした銘柄豚というのは非常に多く、一説には銘柄豚の7~8割ともいわれていますので驚きの数字です。

 

そして、このLWDの三元豚を各生産農家が独自の飼育方法で育てた豚が、いわゆる銘柄豚ということになります。

 

ちなみに、最近よく見かける「もち豚」という名前の銘柄豚も、この三元豚の交配システムを取り入れている豚です。

 

三元豚ベース以外の銘柄豚とは?また、その特徴もまとめ

 

基本的に銘柄豚というものが三元豚であることが分かってもらえたかと思いますが、残りの2~3割の銘柄豚についても見ていきましょう。

 

三元豚をベースにした銘柄豚以外のものは、基本的には単一の品種を重ね合わせて開発された豚となります。

 

代表的な銘柄豚で言いますと、鹿児島県の黒豚などが有名です。

 

鹿児島の銘柄豚として古くから広く親しまれている黒豚ですが、これはイギリス原産のバークシャー種という豚が使われています。

 

バークシャー種は、三元豚に用いられているランドレース種や大ヨークシャー種よりも小柄な品種です。

 

そのため、大量生産には不向きともされていますが、その特徴としては脂身の品質の高さが挙げられます。

 

バークシャー種は元々、脂身の美味しさに魅力があったのですが、昭和の時代は美味しさよりも大量生産がメインだったため、あまり全国の豚肉業者が好んで育てる品種ではありませんでした。

 

しかし、鹿児島県ではこのバークシャー種を育てるのに適した温暖な気候と、その脂身を好む食文化が浸透していたため、県内の多くでバークシャー種が飼育されるようになったということです。

 

こうして、長年地域に根付いて育てられたバークシャー種は、同一品種のみを掛け合わせながら品種改良が進み、現在に至ります。

 

先ほど、銘柄豚には定義がないと書きましたが、この鹿児島県産の黒豚のように「バークシャー種のみを掛け合わせた豚に限る」といった規制のある銘柄豚も存在します。

 

そのため、やはり銘柄豚というのは一般的な豚肉よりも価値が高く、またその味わいも優れているということになるわけです。

 

沖縄県のアグー豚も単体の品種

沖縄県では昔から、アグー種という品種の豚が盛んに飼育されていました。

 

日本で肉食が禁じられていた時代から、沖縄県は独立した存在だったためにこうした独自の畜産・食文化が形成されていったわけです。

 

アグー種は、現在ではアグー豚という名前で広く知られるようになり、県の名産品のひとつにも数えられるほどメジャーになりました。

 

このアグー豚も基本的には同一品種のみで交配が重ねられてきた銘柄豚で、肉の柔らかさや脂身の旨味に定評があります。

 

また、アグー豚に関しては元々中国など大陸からやってきた品種だったのですが、すでに日本で飼育されて数百年の歴史があるということで、日本の在来種として扱われています。

 

さらに沖縄に琉球時代から存在していたとされる豚の品種が島豚です。

 

一度、1900年代にほかのヨークシャー種などと掛け合わされてしまった結果、純血統の島豚はいなくなってしまったのですが、現在名護市や奄美大島を中心に純血統の復元がなされていて、その島豚も銘柄豚のひとつとして挙げられています。

 

まとめ

 

銘柄豚がどういったものかをご紹介してきましたが、非常に歴史と生産農家の努力が詰まったものだということが分かってもらえたかと思います。

 

銘柄豚に定義はありませんが、地域の名前などを付けて出荷される以上は、やはり品質の高い豚肉となっているというわけです。

 

全国各地にはいろいろな銘柄豚が存在していますので、ぜひ旅行などで訪れた際にはご当地の銘柄豚を味わってみてはいかがでしょうか。