味噌漬けの賞味期限はどれくらい?

お肉でもお魚でも、味噌漬けにして食べるというのはかなり、昔から存在する調理法のひとつです。

味噌漬けというのは、美味しさをアップさせるためのものでもありますが、それ以上に食材の賞味期限を延ばすという効果もあります。現代のように冷蔵庫が各家庭に普及する以前は、こうしてお肉やお魚といった生鮮食品の賞味期限を延ばしていたわけですね。

しかし、とはいっても味噌漬けにすることでどれくらい賞味期限が延びるのか?という疑問を持つ方も少なくはありません。そこで、ここでは味噌漬けに関する賞味期限についてはご紹介していきたいと思います。

味噌漬けの賞味期限はおよそ5日~1週間ほど

だいたいスーパーで売っているお肉やお魚の賞味期限というのは、長くて3日というのが大半です。

現在、生鮮食品を含む食料品を販売する際には「賞味期限」もしくは「消費期限」を明記しなければいけません。ちなみに賞味期限というの、その食材を美味しい状態で食べられる目安となる期間です。

これに対して消費期限というのは「安全に」食べられる期間のことを指しています。最近では多くの方々に知られるようになってきましたが、賞味期限というのは多少その日数を過ぎても食べる分には問題がありません。

たとえば冷蔵庫に入れておいた卵などは、賞味期限が切れても加熱をすれば食べられるというのが一般的な認識となっています。このように、食材には食べられる期間というのが決まっているわけですが、その期間を少しでも長持ちさせられるようにと考えて作られたのが味噌漬けです。

昔の人は、経験則から味噌で食材を漬け込むと賞味期限が長くなることを知っていたということになりますね。

そんな味噌漬けですが、スーパーで新鮮なお肉やお魚を買ってきたとして、酒と味噌に食材を漬け込み、真空パックなどで保存をすれば通常よりも数日間食材の賞味期限が延びます。だいたい夏場であれば5日ほど、冬場であれば1週間ほどがその目安です。 また、お肉なのかお魚なのか、さらにどんな種類のものなのかによっても、厳密に言えば賞味期限が変わってきますが、おおまかに上記の日数を目安にしてもらえれば大丈夫と言えます。詳しい種類の違いなどは、さらにこの先でご説明していきますので、参考にしてみてください。








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なんで味噌漬けにすると賞味期限が延びるのか?

通常、賞味期限の日数が3日ほどのお肉などが、5日から1週間程度経っても食べられるようになる味噌漬けですが、いったい何故こうしたことになるのか?気になるところだと思います。

そこで、ここでは味噌漬けによって食材にどういった影響があるのかを、項目ごとに見ていきましょう。

味噌に漬け込むことで空気に触れなくなる

まず食材が腐る原因というのは「空気に触れて酸化することによって、成分が変化し腐食していく」というのがひとつ目です。この原因に対して味噌漬けというのは、食材をお酒と味噌でコーティングした状態にして、空気になるべく触れないような環境を作ることに繋がります。

味噌漬けにすることで圧倒的に酸化スピードは落ちますので、賞味期限も長くなるというわけですね。

味噌の塩分で滅菌効果

塩分が多い状態の食材というのは、カビなどが繁殖しづらく、腐りにくくなります。

この原理を利用したものが、いわゆる「ハム」です。生ハムなどはたっぷりの食塩を豚肉にかけて、極力塩分濃度を高めることで長期保存ができる状態にします。

よく考えてもらえば分かるかと思いますが、生ハムというのは元々「生の豚肉」です。加熱もしていませんから、スーパーで売っている豚肉と本来であれば賞味期限は一緒のはずです。

そんな豚肉を半年や1年以上という長期に渡って熟成をさせたものが生ハムとなります。豚肉をそのままの状態で放置しておけば、3日ほどで腐敗が始まりますが、このように食塩を使って表面をコーティングし、中に塩分を染みこませることで保存が効く状態にするのが生ハムの生産方法です。

このことからも分かるように、食材は塩分濃度が高まれば高まるほど腐りにくくなります。ちなみにですが、塩には賞味期限というものがありません。また、そんな塩がたっぷりと入った味噌というのは、非常に保存性に優れた調味料でもあります。

専門店に行けば3年や5年、またそれ以上の熟成を重ねた味噌というのもたくさん販売されています。こうして、味噌自体が腐りにくいわけですから、その味噌でコーティングした食材というのは、そのままの状態で保存するよりも遥かに賞味期限が延びるということになるわけです。

なお、味噌漬けにすると塩分の効果で食材が腐りにくくなると言いましたが、その代わりに食材の中から水分が出てきます。これは塩分と水分が浸透圧によって入れ替わるからなのですが、この水分が食材を腐らせる原因にもなりますので、味噌漬けにした食材から出る水分はこまめに取り除いた方が良いです。

こうすることで、さらに保存が効くようになりますので、ぜひ試してみてください。

発酵の力で菌を退治

また、味噌というのは発酵食品ですから、常に酵素が働いている状態にあります。この発酵の力には防腐効果があり、そのおかげで味噌自体が腐りにくい食材ともなっているわけです。

そんな味噌で食材を漬け込めば、食材自体にも防腐効果が付与されるというのは当たり前の話ですね。ただし、最近スーパーなどで販売している出汁入り味噌や減塩味噌というのは、殺菌力という面では普通に作られた味噌よりもやや劣ります。そのため、味噌漬け用に選ぶのであれば塩分濃度の高い、本格的な味噌を買ってくるようにしましょう。

具体的な味噌漬けの賞味期限の目安

それではここから、具体的な食材を例に挙げながら味噌漬けの賞味期限を見ていきましょう。まずお肉ですが、牛肉・豚肉・鶏肉といったものであればどれでも味噌漬けには適しています。

しかし、先ほどもご説明したように味噌漬けのメリットである「塩分濃度を高めて防腐効果を得る」という目的においては、厚切りのお肉を選ぶようにしましょう。薄切りのお肉を使って味噌漬けにすると、すぐに塩分が肉全体に行き渡ってしまい、味が塩っ辛くなりすぎてしまいます。

そのため、トンカツ用くらいの厚さのお肉を使うのがベストです。厚みのあるお肉であれば、味噌漬けをすることによって賞味期限も延びますし、味と塩分が染み込んでも美味しい状態で食べられます。

なお、お肉を味噌漬けにした場合の賞味期限というのは、冒頭でも書いたように5日から1週間程度が目安です。鶏肉と豚肉であれば5日程度、鮮度の高い牛肉を使った場合には1週間ほど日持ちがします。

次に魚ですが、サバに代表される青魚は味噌漬けにしたとしてもなるべく早く焼いて食べるようにしましょう。元々、鮮度が落ちるスピードも速く、賞味期限の短い食材なので、その目安としては3日ほどと覚えておいてください。

そのほか白身や赤身の魚を使う場合、お肉同様5日ほどを目安に使い切るようにすると良いでしょう。中には1週間以上味噌漬けにした経験があるという方もいらっしゃいますが、保存の仕方や容器などによっても賞味期限は変わってきますので、一般的に味噌漬けを自宅で作るという場合には5日という目安を守ってもらえればと思います。

ちなみに魚を丸ごと味噌漬けにして、あとで切り身に分けて食べるというのであれば、1週間ほどは日持ちするとされていますが、これも専門的な知識がないと難しいため、最初は切り身を買ってきて味噌漬けにすることをおすすめします。








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